『本』6月号

講談社の『本』6月号、藤原帰一氏の「アンチ・ヒーローのアメリカ」第十回を読みだしたら、The New Yorkerの映画評の話題が出てきた。なんでも、『俺たちに明日はない』は、公開されたときにニューヨークタイムズ紙の映画批評を担当するボスリー・クラウザーに酷評されたのだそうだ。映画批評の権威者だったクラウザーからボロクソに言われて、劇場公開は二週間で終わった。


ところが 『ニューヨーカー』にポーリン・ケイルがこれを激賞する長文の評論を書き、アメリカに次いで公開されたイギリスでは大ヒットを飛ばす。ウォーレン・ベイティワーナー・ブラザースアメリカでの再公開を要求し、実現。アメリカでも再公開では大ヒットとなる、という経緯があったようだ。


そんなことがあったのか……。The New Yorker といえばhiroshima や silent springなどの初出として知られているし、最近ではイラク人質虐待事件のすっぱ抜きでも話題になったホネのある週刊誌だが、わたしはメディカル関係、美術関係の記事を読むことが多い(科学関係もあれば読むけど、メディカル関係がとくに面白いような気がする)。映画評論でも(まあ、当然ながら)がんばってんなーと思った。