ポウプ著『人間論』岩波文庫、上田勤訳

人間論 (岩波文庫 赤 224-1)

人間論 (岩波文庫 赤 224-1)


本日アマゾンより届いたアレクサンダー・ポープの『人間論』をさっそくめくってみた。ポープは英文学史上、十八世紀を代表する大物だそうだが、わたしにとっては創世記冒頭になぞらえた有名なニュートン賛美の詩句ぐらいしかなじみがないし、それ以外のものをちょこっと読んでも、なんだかピンと来ないという程度の詩人である。


今回、必要あって『人間論』をめくってみたが、やっぱりピンとこない。なにこれ、という感じである。


ところが、訳者による「あとがき」を読みだしたら、これが面白い! 座り直してむさぼるように読んでしまった。内容も面白いが、それだけでなく文章がすばらしい。こんなふうに書けたらなぁ! と思わされる、みごとな呼吸だ。ポープに関心のある人も、ない人も、『人間論』の「あとがき」だけは読むよろし。


ポープに関してこれ以上に面白くて効率的な(それほど長くもない「あとがき」である)文章にはそうそうお目にかかれないだろうし、当時の英国文壇周辺の雰囲気も味わえる。「人間って……」という感慨も味わえるし、「我国の現代詩」に関する訳者のコメントも笑える^^;


この「あとがき」だけでも、500円は安い!