『ぼくたちも妊娠できますか?』


ぼくたちも妊娠できますか?―平凡な日常を驚きの世界に変えるQ&A (ハヤカワ文庫NF)

ぼくたちも妊娠できますか?―平凡な日常を驚きの世界に変えるQ&A (ハヤカワ文庫NF)


先日、一時間ばかり飛行機に乗っているあいだに読んだ本がコレ。へぇ、ほお、うひゃー、そんな〜などと思いながら、あっという間に読んでしまった。お気楽にQ&Aを読みながら、その筋の科学者のお話(を、著者が軽妙に料理したもの)を聞いて今時の世の中を感じ取ることができるし、回答者の中にはさりげなく有名人が出てきたりもして、「ほぉ〜(この人、こういう質問に答えるのが好きだったのね〜(^^ゞ)」などと思ったりする楽しみもある。


さて、いろいろ面白いネタはあったのだが、なんといっても衝撃的だったのは、


「鼻くそをほじって食べたら病気になる?」


という質問への答えだ。いや、この質問に対する答えだけならそれほど驚きはしない。なにせおしっこ健康法なるものがあるほどだし(本書にはこれに関する質問も出てくる)、おしっこは(出てすぐなら)薄く着色したポ●リス▲ットみたいなもんだろうとわたしも思っているほどだ。鼻くそを食べたぐらいで病気になるハズがない。


衝撃だったのは、直接的な回答に続くさらりとした文章から、どうやらこれ(=鼻くそを食べること)は、かなり広く見られる癖らしいことが読み取れたことだ。げげ。ほんとか。ほんとなら知りたくなかった。今後、誰かと出会ったら、「この人、鼻くそ食べる癖の持ち主ではないだろうね?」などと考えてしまいそうだ(--;)


というわけで(^^ゞ、わたしにとっては、回答そのものよりも、その周辺のお話がけっこう楽しかったりしたのであった。


■追記:2006.5.9

時間が経っても、折に触れて思い出しては考えてしまうQ&Aがひとつある。「エンパイア・ステート・ビルディングから投げた1セント硬貨は、人間の頭蓋骨を貫通する?」わたしはこの質問を読んだ瞬間、頭に1/2・t^2という式が浮かんでしまった。ちょっと考えればすぐに正しい答えに気づいたのかもしれないが、その前に答えを読んでしまった。


空気中の物体は、ガリレオが発見した上記の式に従って落下するのではなく、アリストテレスが言ったように、物体ごとに定まっている「自然な速度」にすぐに落ち着き、そのまま一定の速度で落下するのである。


もちろん、空気抵抗の影響を取り去って、落下の本質的な要因である重力の効果を的確に抽出したガリレオの方法には威力があるわけで、わたしがまずそれを思い浮かべたのはそんなにマズイことではない(重力の効果を出発点として、それに空気抵抗の補正を加えるアプローチの方がずっと有力だ)。


それでもなお、わたしたちが目にする現象は「アリストテレスの言ったとおり」だというのも、やっぱり、とっても面白いことだと思うのだ。