『イエスは仏教徒だった?』

イエスは仏教徒だった?―大いなる仮説とその検証

イエスは仏教徒だった?―大いなる仮説とその検証

  • 作者: エルマー・R.グルーバー,ホルガーケルステン,市川裕,小堀馨子,Elmar R. Gruber,Holger Kersten,岩坂彰
  • 出版社/メーカー: 同朋舎
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 単行本
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本日、書庫(というほど大したものではないが、とりあえず書庫ではある)を探索していたら、ふと目に止まったのが上記本。これは訳者の岩坂氏にいただいたものだが、実は読むタイミングを逸してしまい、まだ読んでいなかった(すみません>岩坂氏)。まあ、ちょっとすごそうなタイトルだし(^^ゞ、引いてしまった部分もある。


しかし今改めて手に取ってみると、何と表紙に小堀響子さんのお名前がある。市川裕氏と小堀さんが監修・解説にあたっているという。この間、ひょんなことからちょっとだけ小堀さんとお知り合いになったわたしは、どれどれと本をめくり始めた。


思い出してみればこれをくださったとき、岩坂氏は「タイトルの最後の?がミソです」とおっしゃっていたが、なるほどそのわけがわかった。この本は、著者グルーバー&ケルステンの原著の翻訳だけでなく、気鋭の研究者7人による解説が(小堀さんは監修のほか、解説にも加わっている)、なんと100ページほどもついているのだ。原著をネタに、その思想的、歴史的背景を論じる、といった趣だ。


そこでさっそく小堀さんの記事を読んでみた(ちょっとしたご縁がもとで、こうした文章を読んだりするという経験が、わたしは好きだ)。


これがとっても面白かった。ひとことで言うと、ヨーロッパ人にとってのインド像の変遷を跡づけている論文だ。(オリエンタリズムっていうか……)


わたしはこれまで、インドと言われても多種多様な断片的イメージが頭の中にはらはらと浮かぶばかりで、何一つ有効な軸をもっていなかった。そんなわたしの頭の中に、「ヨーロッパ人にとってのインド」という興味深い軸が一本通ったような気がする。