『ゼロ・ビートの再発見』平島達司著(ショパン)

ゼロビートの再発見 復刻版

ゼロビートの再発見 復刻版


名著復刻ということで手に入れたこの本、今更の感もあったが(ピアノ弾く人が誰もいなくなった今……)、読んでみた。うむ〜、なかなかすごい。気迫がいいぐあいに伝わってくる。


印象があざやかでよく頭に入る。調律や音律についてあちこちつまみ読みするぐらいなら、これをバシっと一冊読むほうが早い。記述には重複も多いが、わたしにはそれぐらいでちょうどよかった(^^ゞ。純正律ファンの方には不満な点もあるかと思うが、鍵盤楽器やる人にはすんなり読めるはず(たぶん)。


それにしても、世間には今なおずいぶん誤解がまかり通っているようだ。二年ほど前に公開されたらしい『ヴェルクマイスター・ハーモニー』という映画も、ヴェルクマイスターに関してずいぶんめちゃくちゃ言っているような……。


ともあれ、今からまたちょびちょびピアノ弾こうかな、練習時間はどうせ取れないんだから、好きなバッハに限定して(インベンションが弾ければ御の字)やろうかな、と思っているわたしにとって、我が家のピアノを平均律で調律するのは馬鹿げているような気がしてきた。平均律で調律されたピアノで弾くなら、シャープやフラットに苦労する意味が(あまり)ないじゃん……。


いや、苦労はともかく^^; 各調の色彩を十分に味わってみたいではないか。バッハはわざわざ全部調をかえて曲を作っているのだから(Well-tempered は「平均律で調律された」ではない)。


ヴェルクマイスターで調律して下さいとお願いしたら、調律料金は上がるのだろうか?