『美と科学のインターフェース』M・H・ニコルソン著 高山宏訳


を購入。まずは、「ニュートンの『光学』と十八世紀の想像力」の項と、高山氏による解説を読んだ。それで明らかになったのだが(^^ゞ、『奇想天外・英文学講義』の冒頭を読んで、「こうでなくちゃ!」なんて思うのは、ある意味、実にマヌケな話なのであった。概念の歴史を、個々のジャンルの境界を飛び越えて把握するという方法は、もうかれこれ半世紀も前から本格的に取り組まれているらしい。


まあ、言われてみれば当然で、わたしなんかが「こうでなくちゃ!」などと思えるということは、すでにそのアプローチが成熟し、半ば常識化した時代の空気をわたしが吸っているからこそ可能なのだ。「常識の変化」にはそれぐらいかかる、とも言えるかもしれない。わたしはようやく文学史の「常識」にちょっとだけ追いついたということなのだろう。いまさらながら、不勉強を恥じるのみ。


個々の芸術家・思想家などの仕事の詳細に閉じず、少なくとも歴史という視点から何かを論じるのであれば、人間の営みを一通りおさえなくちゃならないのは当然なのだ。